特集 ヒトと家畜・ペット・野生動物の感染症―口蹄疫から学ぶ
ペット(イヌ・ネコ)と動物由来感染症
①カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症
鈴木 道雄
1
1国立感染症研究所獣医科学部
pp.26-27
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101995
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病原体
カプノサイトファーガ属菌は糸状のグラム陰性桿菌であり,二酸化炭素要求性および寒天培地上での滑走能を有し,栄養要求性が厳しく成育が遅いことが特徴である1).現在8種が知られており,そのうち6種はヒトの口腔内常在菌で,それ以外の2種,Capnocytophaga canimorsus,C. cynodegmiがイヌ・ネコの口腔内常在菌である.どちらもヒトに対して病原性を有するが,ヒトの重症例のほとんどはC. canimorsus感染によるものである.国内の調査ではイヌの74%,ネコの57%がC. canimorsusを保有していた2).
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