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特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅷ.腎移植関連
3.感染症 ①ウイルス感染症 BKV
BK virus in kidney transplant recipients
西田 隼人
1
,
土谷 順彦
1
Nishida Hayato
1
,
Tsuchiya Norihiko
1
1山形大学医学部腎泌尿器外科学講座
キーワード:
BKウイルス
,
BKウイルス腎症
,
腎移植
,
尿中デコイ細胞
,
PCR検査
Keyword:
BKウイルス
,
BKウイルス腎症
,
腎移植
,
尿中デコイ細胞
,
PCR検査
pp.523-526
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001088
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1 病因・病態
BKウイルス(BKV)は幼少期に無症状ないしは軽度の感冒症状のみを伴い感染し,その後尿路系の細胞に潜伏感染するが,正常な免疫機能を保持した者ではBKV特異的細胞性免疫によりコントロールされる1~4)。腎移植時には免疫抑制療法によるBKV特異的細胞性免疫能の低下により増殖抑制を免れ,尿路上皮細胞内で再活性化し増殖する5, 6)。この段階では腎障害はきたさず,尿路上皮細胞が尿中に脱落するのみである。さらに感染が持続するとBKVは集合管や遠位尿細管から近位尿細管へと尿路を上行し,変性壊死した感染細胞が脱落することで間質にウイルスを拡散させ間質の傍尿細管血管内からウイルスが流入することが可能となり,ウイルスによる直接的な細胞変性作用も加わり進行性線維症を伴う炎症性尿細管間質性腎炎が引き起こされBKV腎症となる1)。
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