特集 ヒトと家畜・ペット・野生動物の感染症―口蹄疫から学ぶ
ペット(イヌ・ネコ)と動物由来感染症
②コリネバクテリウム・ウルセランス感染症
岩城 正昭
1
1国立感染症研究所細菌第二部
pp.28-30
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101996
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コリネバクテリウム・ウルセランス(Corynebacterium ulcerans)はジフテリア様疾患の原因菌として先進国で近年注目を集めている.感染症法上(2類感染症)のジフテリアは,ジフテリア菌Corynebacterium diphtheriaeを原因菌とし,終戦直後には年間の患者数が1万人以上を数えたが,その後ワクチンの普及,衛生状態の向上により抑えられ,現在わが国では年間の患者数は1人以下である.1999年以来患者の届出はない.
一方,それに代わるようにして,コリネバクテリウム・ウルセランス感染症が国内で見られるようになった.2001年に最初の発生が認められ,以来2009年までに6例を数える.
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