視点
森と木と―「公衆衛生」をめぐって
西 正美
1
1学校法人浅ノ川学園金沢看護専門学校
pp.540-541
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101846
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旧聞に属するが,「伝染病予防法」が改正されようとしていた頃のことである.
感染症の拡大防止策として,旧法の制定時代では,感染症の種類やその致命率の高さなどの要因も考慮すれば,患者隔離が最も効果の期待できる方策であった.自然治癒力に期待するしかなかった当時と,今日の医療状況は隔世の感のあることは論を俟たない.社会状況も,高速交通機関が発達し,人間や社会の相互接触の度合いが格段に広がった現代では,旧法は実情に合わないことは明白であった.
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