特集 肥満とやせ
子どもの肥満の現状と保健指導
大関 武彦
1
1浜松医科大学小児科
pp.474-479
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101819
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肥満の増加は生活習慣,すなわち現代社会における生活様式の変化が大きく関与していると考えられる.したがってその病因・病態の解明や効果的な介入方法を検討する際には,公衆衛生学的なアプローチは有用なものの1つであると言える.成人だけでなく肥満,そしてメタボリックシンドロームは,現代の子どもたちにとってもますます注目されるようになってきた1~4).
その理由にはいくつかが挙げられるが,世界的にも多くの国々で,そしてわが国でも,2型糖尿病が成人や小児においても増加し,それと関連する肥満・メタボリックシンドロームの関与が指摘され,小児期はその発症や介入においても重要な時期と考えられる2,3,5~7).小児肥満が世界的に増加傾向にあることは,一個人の問題と言うよりは,広く社会的な課題を内包していると言え,メタボリックシンドロームの概念の提唱にも伴い,公衆衛生学においてもより大きなテーマとなってきたと言えよう.
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