特集 肥満とやせ
肥満者への保健指導の取り組み
津下 一代
1
1あいち健康の森健康科学総合センター
pp.469-473
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101818
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特定保健指導が開始されて2年が経過した1,2).その数年前より各医療保険者・保健指導機関等では,実施計画の策定や指導方法の検討,指導者に対する研修,制度導入に関する事務手続き変更,住民への周知,「健診受診率,保健指導利用率」向上策の検討と進んできた3)が,いよいよ「保健指導の効果に関する検証」へと関心が集まってきている.
保健指導現場では,対象者一人ひとりの意欲を引き出し,行動変容を支援し,体重減量と検査値改善に導くための地道な努力が繰り広げられている.特に積極的支援においては,6か月以上継続的に関わるなかで,対象者の変化に勇気づけられ,やりがいを感じている指導者も多いが,一方では保健指導者自身が自らの課題に直面し,指導技術向上の必要性を実感している人も少なくない.
保健指導の効果に関する国全体の集計値はいまだ公表されていないため,本稿では筆者が主任研究を務める厚生労働科学研究4)の状況も踏まえ,効果的な保健指導の方法に関する取り組みを紹介し,効果的な保健指導のあり方について考察することとしたい.
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