連載 全国の事例や活動に学ぶ
今月の事例 沖縄県宮古保健所
保健所医師と国際保健協力
国吉 秀樹
1
,
楠本 一生
2
1沖縄県宮古保健所
2埼玉県吉川保健所
pp.366-368
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902085
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平成9年度に約2カ月,ボリビア国サンタクルス県の「地方公衆衛生向上プロジェクト」の短期専門家として派遣される機会があった.語学は得意なほうではないし,特に国際協力に興味があったわけでもなかったので派遣前は「自分でよいのだろうか」との戸惑いを感じたが,日頃職場で得にくい学習がかなりできたし,プロジェクト進行にもある程度貢献できたと思う.プロジェクトの内容は,母子保健を中心とした衛生教育の実践とシステム作りであるが(表),私自身は「疫学専門家」という立場で,長期専門家の実施した調査の分析・まとめが主な仕事となる予定であった.ところが,プロジェクトの活動全体を把握するのに,事前の目標と計画に沿ってさらに整理をする必要が生じたので,調査の分析と同時に,PCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)を用いて関係者で再度プロジェクトの活動を見直してみた.その結果,プロジェクトのデザインとそれぞれの役割がはっきりし,現在の状況確認とこれからの進行管理について関係者の共通認識を得ることができた.
わずかな経験からではあるが,保健所の医師などが国際保健協力で寄与できる可能性を(筆者は十分できなかったが)次のように考えた.
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