特集 地域における医師職のあり方
自治医大卒業生の軌跡―地域医療と医師職の現状と課題
塚原 太郎
1
,
梶井 英治
1
,
高久 史麿
2
1自治医科大学地域医療学センター
2自治医科大学
pp.610-613
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101374
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自治医科大学(以下,自治医大)は,都市と地方との医療格差が社会問題となっていた1972年,離島・へき地で地域医療を担う医師の養成を目指して栃木県河内郡南河内町(現下野市)に開学した.その後36年が経過したが,離島・へき地における医師不足は解消されていない.わが国における医師数は毎年約4,000人増加しているが,地域間・診療科間の医師偏在はむしろ深刻化していると言ってよい.
このような状況の中で,2008年入試から10県に所在する医学部と自治医大において暫定的な定員増が認められるとともに,2009年からは各都道府県において地元医学部との連携による新たな修学資金貸与制度(以下,「新貸与制度」)の導入が検討されている.本稿では,自治医大卒業生の勤務状況を紹介するとともに,その軌跡から見えてくるわが国の地域医療,医師職を取り巻く諸課題について,医学教育のあり方も含めて述べることとする.
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