特集 たばこ研究
地域における喫煙対策の実践と研究
原田 久
1
1神奈川県保健福祉部医療課
pp.534-538
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101356
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わが国では,喫煙対策は公衆衛生施策として体系化されておらず,現在は,母子保健,学校保健,老人保健,地域保健などの各保健分野でバラバラな内容で取り組まれている.また,上記のような保健事業に直接関わることが少なくなった県型保健所では,喫煙対策が公衆衛生上の最重要課題であるにもかかわらず,取り組まれにくい状況にある.
神奈川県では,平成17年3月に策定された「がんへの挑戦10か年戦略」(http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kenkou/gan/gan10/index. html)の一環として,平成17年度から県単独事業として「地域禁煙サポート推進事業」を実施している.この事業の枠組みにより,すべての県保健所で喫煙対策に取り組んでおり,中には先進的な取り組みをしている保健所がある.また,県内の政令5市(横浜市,川崎市,横須賀市,相模原市,藤沢市)の保健所では,従来から老人保健事業における個別健康教育や母子保健事業などで,喫煙対策に取り組んでいる.
筆者らは,平成19年度厚生労働科学研究費補助金(がん臨床研究事業)の分担研究として,「地域での禁煙活動における保健所の役割について」というテーマで取り組み,県保健所に限らず,県内の政令市保健所などからも広く事例収集したので,その内容とともに,現在,神奈川県で検討されている「神奈川県公共的施設における禁煙条例」の概要について紹介させていただきたい.
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