「公衆衛生」書評
ホームレス研究―釜ヶ崎からの発信
山崎 喜比古
1,2
1東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻 健康社会学教室
2東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 健康教育・社会学教室
pp.79
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101243
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
本書は,3年に亘る文部科学省科学研究補助金を受けて,日本最大の寄せ場といわれる釜ヶ崎をフィールドに,ホームレスに関して医学・保健学,社会福祉学,法律学の実践家と研究者が協同して行ってきた調査・実践を基盤にした学術研究の書である.私は,本書を読み終えて,いつになく静かな感動を覚えた.著者たちの長年の地道な実践や支援活動と結んだ学術研究の書から,保健医療福祉分野の研究はやはりこうでなくてはならない,理論研究とて,現実の問題とのこのような格闘・緊張関係のもとで行われることが必要だと改めて思い知らされた.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.