特集 狂犬病・デング熱・マラリア・コクシジオイデス症―海外で罹る危険性のある感染症
海外で罹る危険性のある感染症update
3.マラリア
小田原 隆
1
1東京大学医科学研究所附属病院感染免疫内科
pp.561-565
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101099
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マラリアは原因となっている原虫の種類によって熱帯熱,三日熱,卵形,四日熱の4種類に分かれるが,なかでも熱帯熱マラリアは,治療が遅れれば重症化して致死的となり得る救急疾患である.熱帯・亜熱帯地域へ渡航後に発熱した患者を診たとき,考えなければならない代表的な感染症――マラリア,腸チフス,デング熱,A型肝炎など――の中でも,診断・治療に最も急を要するのが熱帯熱マラリアである.治療開始の遅れから不幸にも死の転帰をたどっている熱帯熱マラリア症例は国内で散発的に見られており1),私たちは,マラリア流行地に渡航する人たちには,「38~39℃に達する熱を出したときにはダッシュで病院にかかってください」と指導している.
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