「公衆衛生」書評
日本の疫学―射線の健康影響研究の歴史と教訓
多田羅 浩三
1
1放送大学
pp.399
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101071
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わが国の疫学の育ての親である,重松逸造先生が,これまでの先生の放射線の健康影響に関する研究の軌跡とその成果をもとに,このたび歴史の記念碑ともいうべき本を出版された.『日本の疫学―放射線の健康影響研究の歴史と教訓』である.
わが国は世界で唯一の原爆の被災国である.その被災の悲劇は,もちろん被爆の時点においてのみ見られたのではない.長く数十年にわたって,その傷跡は深く残され,今日にまで続いている.その記録は,人類が2度と起こしてはならない愚挙の足跡として,刻まれ,記され,人類の歴史に残されなければならない.
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