特集 過労死・過労自死
職場でのストレスの評価とその対策
下光 輝一
1
1東京医科大学公衆衛生学講座
pp.316-320
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101029
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厚生労働省が5年ごとに実施している労働者健康状況調査が示すように,働く人々のストレスは,労働者の心や体の健康問題に密接に関係しており,うつ病をはじめとする精神神経疾患による休業や過重労働による過労死,過労自死にもつながることから,職場におけるメンタルへルスの推進やストレス対策が,重要な課題となっている.
このような状況に対して,労働省(現厚生労働省)は平成12年に「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を打ち出した.この指針は,各事業場において,事業主が,まず最初に心の健康づくり対策を積極的に実施していく方針を表明した後で,心の健康づくり計画を策定し,可能なところから計画を継続的に実施していくよう勧めている.また,心の健康づくり計画を実施するための具体的な方法として,4つのケアを推奨している.すなわち,①セルフケア,②ラインによるケア,③産業保健スタッフ等によるケア,④事業場外資源によるケアである.総合的で効果的なメンタルヘルスの推進やストレス対策を行うためには,これら4つのケアがそれぞれ単独で行われるのではなく,相互に密接に連携しながら実施されていくことが重要であり,また,これらのケアを円滑に進めていくためには,職場におけるストレスの測定・評価がしっかりなされていることが必須である.
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