活動レポート
地方保健医療行政機関における一類感染症および新感染症への対応とその権限についての研究
上窪 聡子
1
,
藤本 眞一
2,3
,
小窪 和博
4
1元県立広島女子大学生活科学部人間福祉学科
2前県立広島女子大学生活科学部人間福祉学科
3現滋賀県草津保健所
4岐阜県東濃地域保健所
pp.720-723
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100957
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近年,感染症事情は変容し,さらには生物兵器を使用したテロの危険性が危惧されている.そこで国内に常在はしていない「一類感染症」および「新感染症」の両方(以下,合わせて「重大な感染症」という)が発生した際の地方保健医療行政機関の対応状態を把握し,その課題を明らかにすることで,健康危機管理体制を今後とも維持・推進することを目的として研究を行ったので,本稿にて報告する.
研究方法
1. 重大な感染症発生時の事務委任状況調査
全国の保健所設置主体121都道府県市区(以下,県市区)にアンケートを実施し,平成13年12月1日現在,各県市の首長(知事,市長,区長)が,保健所などの出先機関の長に権限を事務委任,もしくは専決をさせているかを,「感染症患者への入院指示」,「感染症患者の病院等への移送」,「感染症まん延防止のための交通の制限または遮断」といった重大な感染症にかかわる3つの業務1)について調査を実施した.
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