特集 院長
てい談
院長,その機能と権限
吉田 幸雄
1
,
守屋 博
2
,
島内 武文
3
1病院管理研究所
2順天堂大学病院管理部
3東北大学・病院管理学
pp.19-29
発行日 1969年12月1日
Published Date 1969/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203812
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医学的権威と管理能力
吉田 だいぶ昔になりますが,昭和30年に"病院と院長"という単行本が医学書院から出たことがあります.そのときは橋本寛敏先生と守屋先生の対談という形で今後の院長のあり方が論ぜられました.それから約15年,日本の病院はいろいろの変化をしてきましたが,病院長もいろいろな環境の変化の中に立たされて,病院長自身いろいろ考えざるをえない時代に立ち至ってきたと思うのです.そういう時期に当たって,現状の日本の病院長のあり方を論じ,また将来へのビジョンを引き出しうれば,ひとつの指針になるかと思います.
さて,日本の戦後の病院の急速な変化は,日本の医療史上特筆すべき時代であると思います.戦前の単純な組織,および機能の病院の時代から,現在のような国際的な流れを含めて,病院自体の構造,あるいは機能が複雑になっていくばかりでなく,その病院が置かれている社会的・経済的あるいは政治的環境も非常に複雑化してきています.したがって病院長の機能は急速に重大になってきているわけです.
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