連載 介護保険下の公衆衛生活動を考える・17
閉じこもり
関 なおみ
1
1順天堂大学医学部公衆衛生学教室大学院(前東京都豊島区中央保健福祉センター 保健医療担当係)
キーワード:
財産管理
,
安否確認
,
キーパーソン不在
Keyword:
財産管理
,
安否確認
,
キーパーソン不在
pp.623-625
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100932
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男性(80歳):痴呆,結核性股関節炎,要介護3,マンション1人暮らし
1週間以上つながらない電話
保健福祉センター(以下,センター)の時計が17時を回り,皆がそろそろ帰る準備をし始めたころ,その電話はかかってきた.「申し訳ないのですが,安否確認に行っていただけないでしょうか……」.
そもそも午前中「何度も電話をしているのだが,1週間以上応答がなく,死亡しているのではないか心配」と,遠方に住む親族から本人の相談があった。午後13時30分ごろに保健師が本人の様子を見に訪問したところ,ベルを鳴らしても本人の声は聞こえず,テレビと電気はついていたが反応がなかった.これを親族に連絡したところ,親族は本人が15年間医師として勤めていたクリニックへ連絡した.クリニックの看護師が「先生はプライドが高い方なので,他の人では応答しないのかもしれない」と言い,「自分が安否確認へ行く」とのことだったので,センターは安心していたのである.
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