視点
少子化対策-新「子育て」教育の提案
西尾 久英
1
1神戸大学大学院医学系研究科医科学専攻環境応答医学講座環境医学教育研究分野
pp.568-569
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100926
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近未来の日本においては,急激な少子化のために労働を担う人口が著しく減少し,かつ高齢化が進むことより,経済発展が強く制約された社会状況が出現するものと予想されている.政府も少子化問題を解決するための施策を次々と打ち出しているが,少子化の進行を止めることができない.人口問題の難しさは,妊娠・出産行動が当事者の自由な選択に委ねられるべきものでありながら,社会の価値観や慣行に強く影響される点にある.社会がすでに少子化の方向へ流れている時には,それが圧力となって,当事者の選択も「子どもを持たない」方向へ片寄らざるを得ない.そのため,ますます少子化が進行することになる.
本稿では少子化の原因について特に社会の価値観という視点から考察し,少子化対策の一環として「子育て」に関連した新しい教育を提案する.
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