特集 現代の保健所論・1
規制緩和と保健所―健康危機管理との関連で
⻆野 文彦
1
1滋賀県長浜保健所
pp.350-354
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100862
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近年,わが国は阪神・淡路大震災(1995),東京地下鉄サリン事件(1995),堺市O157学童集団下痢症(1996),和歌山市毒物混入カレー事件(1998),東海村ウラン臨界事故(1999),雪印乳製品食中毒事件(2000),そして大阪教育大学附属池田小学校乱入殺傷事件(2001)と,毎年のように重大かつ深刻な事件が起こっている.これらはいわゆる「健康危機管理事例」と位置づけられ,それらに対する保健所の対応が注目され,さまざまな評価がなされている.
健康危機管理事例に対処する場合,疫学調査や被害の拡大防止等において昨今の「規制緩和」や「個人情報の保護」と対立することがしばしば起こりうる.このような状況のなかで,保健所はどのような役割を果たすべきかを,保健所の現状を踏まえて考えてみたい.
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