特集 交通事故の予防医学
ストレスと交通事故
鵜飼 光雄
1
,
川村 光生
2
1日本交通医学工学研究会
2愛知県立尾張病院
pp.465-469
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901512
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自動車の発明と普及は文明社会の構築に著しく貢献してきたが,モータリゼーションの進展に伴う交通災害の増加は人知が創造した交通システムの不完全さを示すもので,今や大きな社会的ストレスとなっている.
ストレスという言葉はもともと物理学の用語で歪みを意味しているが,1936年セリエ(Selye H)はこれを始めて医学に適用し,生体に歪みを起こすものあるいは生体の恒常性を乱すものをストレッサーとし,これに対する生体反応をあわせた一連の変化をストレスと定義した1,2).しかし,ストレッサという言葉は日常あまり用いられず,ストレスという言葉で代用されていることが多い.
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