特集 地域医療のトピック―「救急医療」を考えよう
救急現場でみえてくる地域の健康問題
箕輪 良行
1
1聖マリアンナ医科大学救急医学
pp.528-532
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100758
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新しい医師臨床研修制度では,救急医療が基本必修に位置づけられました.「救急は医の原点」とも言われたりして,市民の医療を下支えする最低レベルを底上げしようという医療制度改革の意向が明らかです.35年間という長い間,医師の養成過程の歪みに手をこまねき,大学をはじめとした多くの医育機関の怠慢を放置してきたツケは,地域や患者の健康を阻害して,良き臨床医の普及を大幅に遅らせました1).
ありふれた病気を日常的に治療できて,住民の急病やけがの初期治療をして,必要に応じて後方医療施設へ紹介できる,という地域の健康を守るうえで必須要員である臨床医が,全国隅なく分布していることは,医療供給体制の基本設計のひとつです.そのような臨床医を養成する仕組みを改めて確立しようとしているのが現状です.
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