トピックス 禁煙治療最前線②
地域や職域での禁煙治療・支援の推進のために(上)
中村 正和
1
,
大島 明
2
1大阪府立健康科学センター健康生活推進部
2大阪府立成人病センター調査部
pp.877-881
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100682
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禁煙治療・支援の意義
禁煙治療・支援は,保健医療に従事する専門職が日常活動の中で実施できるたばこ対策であり,その有効性ならびに経済効率性について,十分な科学的根拠が示されています1).また,禁煙治療・支援を含む禁煙対策(喫煙者の禁煙を推進する対策)は喫煙防止対策(喫煙の開始を抑制する対策)に比べて即効性があり,最近急速に拡大しつつある喫煙による健康被害の当面の抑制策として期待されています(図)2).禁煙治療・支援の効果については,喫煙習慣の本質がニコチン依存症であるため,禁煙率は決して高いとは言えません.しかし,それでも禁煙すれば多くの疾患のリスクが低下するため,禁煙治療・支援の経済効率性は,数ある保健医療プログラムの中で特に優れており1),その普及により肺がんをはじめ,多くの喫煙関連疾患を予防することができます.
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