特集 市町村合併後の保健師活動
市町村合併後の保健活動―大分県の現状と課題
藤内 修二
1
1大分県福祉保健部健康対策課
pp.506-510
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100595
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大分県の市町村合併の状況
平成の市町村合併が一段落し,平成14年4月に3,218だった市区町村数が18年4月には1,820になった.全国的には43.4%の減少だが,大分県では58市町村から18市町村へと1/3以下になってしまった.大分県における市町村合併の状況は表を参照していただきたいが,佐伯市や豊後大野市に代表される「広域合併」が多いのが特徴である.そのため,面積が400km2を超える自治体が7市を数える.新市の中心部から周辺の地域まで1時間を要するという自治体も少なくない.また,「新設」の形をとっているが,地方都市と周辺の町村が合併する形で,実質的に「編入」に近い合併が多く,合併後の周辺地域の行政サービスをどう担保するかが懸念されるところである.合併した市町村数が多いこともあって,合併後の保健師数は人口規模の割に多くなっているが,平成18年4月から始まった地域支援事業のために,地域包括支援センターに配置された保健師も多く,周辺地域における保健活動の質と量をどう維持するかが大きな課題である.
本稿では県内の5自治体への訪問調査結果をもとに,市町村合併後の保健活動の課題とその課題解決のために必要な方策について紹介する.
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