連載 Rapid Review & Topics
最近の子育て支援プログラムとその評価に関する内外の動向
加藤 則子
1
1国立保健医療科学院生涯保険部母子保健室
pp.717-720
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100468
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近年,社会情勢の変化に伴って子育てはますます難しいものになってきている.幼少期の体験がその人の人格を大きく左右するということは,科学的に明らかになりつつある.現在,少年事件が社会を震撼させ,キレる子どもたちが学校では大きな問題になっているが,児童虐待や早期知育教育などの幼少期の不適切なかかわりは,キレる子をつくるということが証明されている1).それと同時に,小さい子どもとの接触経験の少なさ,子育て家庭の孤立化,「子育てでの負担感」や「イライラ感」,育児不安を訴える母親の急増等,育児環境が悪化していることが危惧されている2).
このような中で,育児プログラムを提供して育児支援に資することの必要性が強調されてきている2).本稿においては,国内外における育児プログラムに関する文献を,最近5年間を目安にレビューしたい.報告されている文献は,わが国のものは育児プログラムの内容紹介に類するものが多い3~8).わが国の育児プログラムに関しては,その評価も含めて報告されているものはあまり見られず,文献をレビューしながら評価を加えているもの9)が散見される.一方,海外の報告を見ると,育児プログラムを実践した上での評価が主となっている10~20).
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