特集 母子保健活動の評価
子育て教室の評価と今後の支援
稲垣 裕子
1
,
荒堀 千秋
1
,
山本 房子
1
,
小山 佳代子
1
1滋賀県大津市役所
pp.472-480
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207756
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はじめに
大津市は山と湖にはさまれており,合併につぐ合併によってできた南北45.6km,東西20.6kmの細長い地形にあり,そのため北部,中部,南部おのおのに地域特性がある。市全体は28の小学校区(学区)に分かれ,おのおのに市民センターが設けられており,市役所は市のほぼ中央に位置している。人口は約25万で京阪神のベッドタウンとして,この2〜3年の人口増加はめざましく,転出入も県下では多い。そのため地域でのふれあいも薄れてきて,「友だちがいない」「遊び場がない」「育児について相談しあう母親同士のつながりがない」など地域で育児を支える条件が希薄になっており,乳幼児健診や家庭訪問でも育児に不安をもつ母親がふえている。そこで大津市では,母親に集団をつくり,遊びや経験の伝えあいなど具体的な活動によって,母親が育児上の悩みを解決し育児に見通しをもつこと,ひいては地域ぐるみで子育てをしていく基盤をつくることを目ざし,就園までの子供とその保護者を対象に子育て教室を実施し始めた。
1985年11月から2学区でモデル的に始めたが,それからのち3学区増え現在に至っている。5学区のとりくみの経過を地域づくりの視点から評価し,今後の教室のあり方を検討する。
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