視点
福祉は,弱者救済から生活支援へ
三浦 大助
1
1長野県佐久市
pp.410-411
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100400
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介護保険法の成否は痴呆対策にある―在宅介護から施設介護へ
昭和26年,「社会福祉事業法」という法律が施行された.この時わが国の法律の中に,“福祉”という活字が初めて登場した.今から53年も前のことである.そしてその目指すところは「弱者救済」で,当時としては画期的な法律であったであろうことは想像できる.
当時,日本人の平均寿命は男性60歳,女性65歳に達していた.その頃の職場の定年は55歳であったから,平均的には老後は5年ということであった.さらに,それから50年,わが国の平均寿命は世界のトップレベルに到達し,男性78歳,女性85歳という「人生80年時代」を迎えている.そして,今や定年は60歳で,90歳くらいまでは長生きできるという長寿社会を迎え,老後は30年ということになった.
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