連載 世界を見て,日本を見る.Public Health Opinion・4
日本の公衆衛生の「輸出」の試み
橋爪 章
1
1国際協力機構医療協力部
pp.322-323
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100369
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人類は,生物学的には弱い存在であるので,助け合わなければ生きてゆけない.生活にゆとりがある人がそうでない人を助けることを規範として,この社会は成立している.国家と国家との間においても同様であり,富めるものがそうでないものを助けるのは摂理である.
日本は,生まれてきた赤ちゃんの22人に1人が1年以内に亡くなっていた頃,他国への援助に着手(1954年:コロンボプランへの加盟)している.海外技術協力事業団(JICAの前身)を設立し,援助に本格的に取り組み始めた1962年にあっても,乳児死亡率は出生千対26.4であった.妊産婦も1,000人に1人が命を失っていた.
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