連載 介護保険下の公衆衛生活動を考える・22
奇跡の人
関 なおみ
1
1順天堂大学医学部公衆衛生学教室大学院
キーワード:
重複障害
,
障害者在宅支援
Keyword:
重複障害
,
障害者在宅支援
pp.63-65
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100347
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長女(48歳):結核性髄膜炎後遺症・水頭症による視聴覚重複障害
父(78歳):肺ガン(化学療法中),未申請
母(76歳):肺機能障害(結核後遺症),要介護1
3人は2階建て木造一軒家で同居
(次女,三女はそれぞれ結婚し,独立)
お風呂の介助
家族の中で一番はじめに保健福祉センター(以下,センターと略)にやってきたのは,母親だった.「娘が障害者なのでお風呂に入るときに介助してくれる人がほしい.今まで来てくれていた人が年をとってやめてしまった」とのことだった.娘は目が見えず,耳も悪いということなので,職員が状況を把握するため訪問しようと,後日確認の電話をしたところ,「シルバー人材センターから人が来てくれることになったので,結構です」とあっさり断られてしまった.その1カ月後,再び「シルバー人材センターから来ていた人がやめてしまったので,やはり誰かお願いしたい」という連絡があり,やっと障害者在宅支援係のケースワーカーとヘルパーが,本人に面会できることになった.
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