連載 性のヘルスプロモーション・7
[インタビュー]これからの性教育のあり方―「性教育バッシング」を超えて
村瀬 幸浩
1,2
,
浅井 春夫
3
,
岩室 紳也
4
1一橋大学・津田塾大学講師
2“人間と性”教育研究協議会(性教協)
3立教大学コミュニティ福祉学部
4(社)地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
pp.319-324
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100289
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岩室 今回は性教育の一翼を長年にわたり引っ張ってこられた両先生方に,「性教協」(“人間と性”教育研究協議会)のことを含めお話を伺えればと思っています.この団体はどういう流れの中で始まり,今まで何をやってこられて,今後何を目指していかれるのか,まず教えていただけますでしょうか.
性教育の幕開け
村瀬 「性教協」の創立は1982年で,私も創立者の1人です.日本では,戦前はもちろん,戦後も性教育という言葉自体が使われていない時代が長くありました.戦後,民主主義や男女平等などの教育は必要だと言っても,それを性の問題に広げていく意識や考え方はありませんでした.売春問題や非行問題が起きると,モラルの低下だとか純潔とか言って,特に女の子の性行動を抑制しようとしたり,一方男の子には何も教えようとしませんでした.つまり教育の対象にはされなかったのです,性は.
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