連載 性のヘルスプロモーション・3
[インタビュー]「ゲイ」というセクシュアリティ
長谷川 博史
1
,
岩室 紳也
2
1日本HIV陽性者ネットワーク・JaNP+
2(社)地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
pp.673-678
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100133
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ゲイコミュニティも公衆衛生の対象
岩室 現在の公衆衛生の問題の1つに,わが国のHIV/AIDS感染者・患者が1万人を突破したことがあります.ゲイコミュニティ内でも実際に広がっているのに,公衆衛生現場はそこに入り込めていない現実があります.これは,そもそもゲイというセクシュアリティを,私たち公衆衛生従事者が十分理解できていないということではないでしょうか.
私はさまざまなゲイの人と出会うことを通して,結局,ゲイにもいろいろな人がいるという点ではヘテロ(異性愛者)の世界と同じである.ゲイというセクシュアリティは恋人として付き合うのでなければ重要な問題ではないと,私の中で腑に落ちています.私は泌尿器科の外来診療もしているのですが,患者に「あなたはゲイですか」とぱっと聞きます.「そんなストレートに聞いていいのですか」と言われますが,ゲイの方に必要な支援も用意しているつもりなので,聞かないとその情報も伝えられません.
今日は,自らカミングアウトされている長谷川博史さんにお話を伺うことで,「ああ,ゲイってそういうことか」と腑に落ちる読者が増えることを期待しています.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.