連載 Health for All―尾身茂WHOをゆく・14
鳥インフルエンザ対策―「縦割り」の壁
尾身 茂
1
1WHO西太平洋地域事務局
pp.348-349
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100088
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今回はSARSの話は少し休みにして,今年1月号(本誌69巻1号)に書いた「鳥インフルエンザ」について,その最新の状況と,2005年2月23日から3日間開催されたホーチミンでの専門家会議,そしてその後,私が経験したちょっとした“冒険”について,今月と来月の2回にわたって話そう.
鳥インフルエンザについては,アジア地域での感染の拡大と当該ウイルスのこの地域における“土着化”が懸念されると以前書いたが,その懸念が現実のものとなり,H5N1型インフルエンザの「人」への感染例は,例えばベトナムでは昨年と同様,旧正月の1月下旬から2月上旬を境に増加してきた(図1).
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