連載 Health for All―尾身茂WHOをゆく・10
鳥インフルエンザ大流行の可能性
尾身 茂
1
1WHO西太平洋地域事務局
pp.4-5
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100012
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2003年末からアジア各国において,インフルエンザウイルスA(H5N1)による鳥インフルエンザが流行している.この流行はいったん終息するかに見えたが,その後も猛威を振るい続けている.2004年11月25日および26日の2日間,東南アジア諸国連合(ASEAN)各国と日本,中国,韓国による鳥インフルエンザに関する閣僚級会合がバンコクで開催され,最後に情報交換など,協力の強化を謳った共同声明を発表した.私は,会議の場で鳥インフルエンザ大流行の可能性について,「各国のさらなる協力がなければ,今年にも大流行の可能性があること」を強調した.今回はこの件について詳しく話そう.
私は,鳥インフルエンザ大流行の可能性の根拠について,以下の5つを強調した.
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