連載 公衆衛生ドキュメント―「生きる」とは何か・14
被爆から60年,韓国の被災者たち
桑原 史成
pp.350
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100089
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日本が太平洋戦争に敗戦して,今年は60年を迎える.その1945(昭和20)年の当時,日本には朝鮮半島から強制連行や徴用,出稼ぎなどの人々が約230万人ほど滞在していた.
植民地の朝鮮から連れて来られ,また自らやってきた人たちにとって最大の悲劇は,同年8月6日に広島,次いで長崎で起きた,米国による原爆の投下である.死者たちの正確な数は不明だが,広島で約5万人,長崎で2万人とされる.生き残った被爆者のほとんどは韓国また北朝鮮に帰って行ったが,すでに被爆から半世紀余が過ぎて,その生存者の数は少なくなった.現在,韓国に約2,500人,北朝鮮に約900人とされる.
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