特集 こころの健康問題への挑戦
うつ対策と疫学的研究
今田 寛睦
1,3
,
川上 憲人
2
1前国立精神・神経センター精神保健研究所
2岡山大学大学院医歯学総合研究科衛生学・予防医学分野
3現社会保険診療報酬支払基金
pp.363-366
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100080
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厚生労働省が「うつ」を正面から「対策」として取り組むようになったのは,近年の自殺者の急増が背景にある.わが国における自殺による死亡数は,厚生労働省の人口動態統計によると,平成9年23,494人であったのに対し,平成10年に31,755人と急増し,3年連続して3万人を超えている.平成13・14年には3万人を若干切ったものの,平成15年には再び32,109人となった.
とりわけ男性の自殺による死亡率は,人口10万対38.0(平成15年人口動態統計)で,死因の第6位,25~44歳の男性においては死因の第1位となっており,自殺者数の増加に男性の中高年の自殺が大きく寄与していることが特徴の1つである.
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