特別記事
ナラティブ・アプローチによる親子支援—フィンランドのアーリーダイアローグとストーリーテリングの実践から
髙橋 睦子
1
,
井村 真澄
2
1恵泉女学園大学 人間社会学部国際社会学科
2日本赤十字看護大学大学院 国際保健助産学
pp.180-185
発行日 2026年4月25日
Published Date 2026/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134781680800020180
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はじめに:エビデンスとナラティブ
日本の次世代育成支援は喫緊の課題であり,子育ての困難や子ども虐待など課題が山積している。これまで医療者は主に専門家主導の問題解決型アプローチから母親や母子関係に焦点化することが主流であり,客観的なエビデンスを求めてアセスメント・ツールが開発されている。しかし,アセスメントだけでは課題の核心に近づけない。より適切な支援や介入を目指すには,ナラティブ・アプローチによって関係性や感情の動きについて理解を深めなければならない。
ナラティブ・アプローチでは支援者は自分が情報提供したいことや問いたいことを一方的に伝えるのではなく,相手の声や語り(沈黙を含む)に関心を寄せ対話を重ね本人との協力・信頼関係を培う。ではどうすれば支援者は,ナラティブ・アプローチでの実践力を高めていけるのだろうか。本稿では,フィンランドの関係者と合同開催したナラティブ・アプローチの専門職教育・研修*1での知見から,妊産婦ケアと親子支援に資する具体的な技法として,「アーリーダイアローグ」と「ストーリーテリング」を紹介する。

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