特集 鍼灸は、なぜ「うつ」に効くのだろうか 心身不調改善のツボはここだ!
—[実践報告❺]がん治療・緩和ケア—鍼灸治療併用によって、標準治療を再開することができた事例
小内 愛
1
1埼玉医科大学病院 東洋医学科
pp.219-221
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134327610280030219
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化学療法後の手足のしびれを訴えるEさん
Eさんは40代女性、主婦です。鍼治療を開始する6年前の5月に胃がん(stageⅠB)と診断され、幽門側胃切除術を施行しました。UFT療法を1年間施行し、しばらくは経過良好で日常生活も大きな支障もなく過ごせていました。定期的な受診をしていましたが、1年前の10月に腹膜播種による横行結腸狭窄と腸閉塞でストマを増設することになりました。
術後7日目よりアブラキサン1クールが開始され、9日後より手足のしびれが出現しました。その後、しびれに対してプレガバリン50mg/日〜を開始するも症状は悪化しました。5クール目よりプレガバリン150mgに増量し、6クール目でCTCAE v3.0感覚神経障害grade(1)と判断され、ツムラ牛車腎気丸、メコバラミンが追加となりました。

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