徹底分析シリーズ プラネタリーヘルスと麻酔
プラネタリーヘルスとは—気候危機時代の医療者に求められる視点
梶 有貴
1
Yuki KAJI
1
1名古屋大学医学部附属病院 総合診療科
pp.672-677
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330070672
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人類は技術の進歩を止めることなく,通信技術・生成AI・ロボティクスなど,今なお加速的なスピードで発展を続けている。医療もその恩恵を受け,公衆衛生の改善,小児死亡率の低下,平均寿命の延伸など,目覚ましい成果を挙げてきた。しかし,これは制約なき発展というわけではなく,大量消費・大量廃棄という持続可能性を欠いた仕組みの上に成り立ってきた。そして,その代償として地球環境の破壊が進行し,猛暑,水害,山火事,感染症の増加など,すでに目に見えるかたちで人間の健康を脅かしつつある。
そのような時代背景のもとで生まれたのが,「プラネタリーヘルス」という概念である。一見すると,臨床現場,特に麻酔科医の日常業務とは距離のあるものに思うかもしれないが,紐解いていくとわれわれ現場の医療者に新たな視点と役割が求められていることに気づくだろう。

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