症例ライブラリー 今日もまたいつもの大腿骨近位部骨折
重症COPDでHOTも導入されている
荒木 走
1
Kakeru ARAKI
1
1旭川医科大学 麻酔・蘇生学講座
キーワード:
術後呼吸器合併症
,
PPC
,
酸素投与
,
人工呼吸器管理
Keyword:
術後呼吸器合併症
,
PPC
,
酸素投与
,
人工呼吸器管理
pp.442-444
発行日 2026年5月1日
Published Date 2026/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330050442
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■症例
朝の症例カンファレンス終了後,整形外科から臨時手術の申し込みがあった。
70歳の男性。身長165cm,体重50kg。45年×30本の喫煙歴がある。大腿骨転子部骨折に対して髄内釘(ガンマネイル)による骨接合術が申し込まれた。予定手術時間は30分。既往歴に慢性閉塞性肺疾患chronic obstructive pulmonary disease(COPD)があり,在宅酸素療法home oxygen therapy(HOT)が導入されている。これから検査とインフォームドコンセントを行い,本日中に手術予定である。
当院の呼吸器内科に通院中の患者であったので,電子カルテで情報を得たところ,骨折前の直近のスパイロメトリーでは1秒率(%FEV1.0)は40%であり,COPDの病期分類はⅢ期であった。HOTは安静時1.5L/minで導入されている。経皮的末梢動脈血酸素飽和度(SpO2)は92%であった。救急外来で採血された血液ガス検査では動脈血酸素分圧(PaO2)64Torr(100%酸素1.5L/min)であった。凝固系に明らかな異常は認めなかった。胸部単純X線写真では心胸郭比40%,肺野透過性の亢進,肺野末梢血管影の細小化,横隔膜の平低化,滴状心を認めた。術前診察に訪問すると,問診にてHugh-Jones分類ではⅣ,慢性的に粘性の喀痰の訴えがあった。
さて,あなたならどうする?

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