こどものことをもっと知ろう 第82回
学校検尿—疫学的背景から紐解く,日本独自のスクリーニング
中野 優
1
Masaru NAKANO
1
1なかのこどもクリニック
pp.406-409
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330040406
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
麻酔科医:明日の手術予定の8歳男児の術前診察で,母親から「小学校の検尿で血尿が出たと言われ,経過観察中です。麻酔は大丈夫ですか?」と聞かれました。血液検査の腎機能は正常,今の尿検査は潜血(+/-)程度です。特に麻酔管理上の問題はないと考えてよいでしょうか?
小児科医:腎機能が正常で,浮腫や高血圧などの身体所見がなければ,通常どおりの麻酔管理で問題ありません。ただ,その「小学校の検尿で引っかかった」という事実は,将来の重篤な腎臓病を防ぐための重要なサインかもしれません。
麻酔科医:そうなんですか? 学校の検尿でそんなことまでわかるのですか。
小児科医:実は,学校検尿は東アジアの一部でしか行われていません。そこには,人種による「腎臓病のなりやすさ」や「病気の性質」の違いが深くかかわっています。今回は,最新の知見も交えながら,なぜ日本で学校検尿が重視されているのか,その医学的背景について解説しましょう。

Copyright © 2026, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.

