徹底分析シリーズ 手術場での急変対応—チーム医療で患者を救おう
緊張性気胸—その状態,もっと改善できるかも
小林 正
1
,
鈴木 昭広
1
Tadashi KOBAYASHI
1
,
Akihiro SUZUKI
1
1自治医科大学 麻酔・集中治療医学講座
pp.384-390
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330040384
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今年から赴任した病院の夜間・休日の緊急手術。麻酔科は自分一人だ。いままでは派遣元の屈強なオーベンたちに守ってもらっていたが,これからは自立していかなければ。
そんな折,汎発性腹膜炎に対する緊急開腹洗浄ドレナージ手術が申し込まれた。患者は80歳の女性,149cm,45kgと小柄だ。術前の患者の状態はJCS 2,血圧100/50mmHg,心拍数100bpm。呼吸数25回/min。末梢は冷たく,血管は見えない。
救急外来で初期研修医が内頸からの中心静脈カテーテル(CVC)を悪戦苦闘した末にどうにか留置し,胸部X線写真をオーダーしてくれている。そのCVCからノルアドレナリンを開始し,バイタルサインが大崩れすることなく導入は完了した。
《やれやれ,導入前にCVCが入っていてよかった〜。あとは敗血症の対応をすれば完璧だ!》と思っていたら,麻酔導入後から徐々に血圧が80mmHg台に下がり,心拍数は130bpmとずいぶん上がっている。ノルアドレナリンの投与量を増加させておこう…。酸素飽和度の波形が小さいためか値が表示されず,看護師が何度もセンサーをつけ直しており,いま一つ信頼できない。そもそも末梢が冷たい。鎮痛はフェンタニルよりもケタミンにすべきだったか??

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