症例ライブラリー 体幹の神経ブロックがうまくいかない
心臓手術の末梢神経ブロックがうまくいかない
谷本 翔太
1
,
釋尾 知春
1
Shota TANIMOTO
1
,
Tomoharu SHAKUO
1
1昭和医科大学横浜市北部病院 麻酔科
キーワード:
傍胸骨肋間筋膜面ブロック
,
筋膜面ブロック
,
持続カテーテル
Keyword:
傍胸骨肋間筋膜面ブロック
,
筋膜面ブロック
,
持続カテーテル
pp.325-329
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330040325
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■症例1
72歳の男性。身長168cm,体重70kg。高血圧,2型糖尿病,脂質異常症の既往がある。冠動脈3枝病変に対して冠動脈バイパス術〔左内胸動脈(LITA)-左前下行枝(LAD),右大伏在静脈グラフト2本〕を施行した。術後に縦隔ドレーン1本,左胸腔ドレーン1本を留置し,手術室内で両側の深傍胸骨肋間筋面ブロックdeep parasternal intercostal plane block(DPIPB)を実施した。第3〜4肋間胸骨縁に0.25%レボブピバカインを左右各15mL投与した。ブロック終了後にポータブル胸部X線を撮影し,明らかな異常所見は認めなかった。その後,抜管しICU(集中治療室)に帰室した。
ICU帰室30分後,患者は「息が苦しい」と訴えた。右前胸部の圧迫感を伴い,身体所見では右呼吸音の減弱を認めた。縦隔ドレーン排液は少量のままで,左胸腔ドレーンの排液増加も認めなかった。ICUで再度撮影した胸部X線で,右胸腔の均一な陰影増強を新たに認めた。
さて,何が起きたのだろうか?

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