徹底分析シリーズ ロボット手術2nd Phase
ロボット支援下食道癌手術〜外科医の視点から—麻酔科医に知っておいてほしいこと
小林 裕之
1
Hiroyuki KOBAYASHI
1
1神戸市立医療センター中央市民病院 外科
pp.1174-1179
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320121174
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
食道癌治療は近年,大きな変革期を迎えている。その原動力となっているのが,ロボット支援下手術robot-assisted surgery(RAS)に代表される手術技術の進歩と,免疫チェックポイント阻害薬immune checkpoint inhibitor(ICI)をはじめとする薬物療法の発展である。これらの進歩は,外科治療の選択肢を大きく広げた。特にRASは,その精密な操作性と良好な視野により,従来の開胸・胸腔鏡下手術の課題を克服し,より低侵襲で根治性の高い手術を可能にする潜在力を秘めている。特に縦隔深部での繊細な操作を要求される食道癌手術は,数ある消化器外科手術の中でも,ロボットの恩恵を最も享受できる領域であると筆者は感じている。

Copyright © 2025, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.

