症例ライブラリー 危機管理「発災」
大規模地震直後,グレードAの帝王切開が申し込まれた
生田 義浩
1
Yoshihiro IKUTA
1
1熊本大学病院 中央手術部・中央材料部
キーワード:
インフラ障害
,
出張麻酔
,
シミュレーション
Keyword:
インフラ障害
,
出張麻酔
,
シミュレーション
pp.31-33
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320010031
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■症例
29歳の女性。1妊0産。身長165cm,体重81kg(BMI 29.8kg/m2)。妊娠36週6日。腹部緊満感で,安静入院中である。血圧128/75mmHg,脈拍80bpm,経皮的末梢動脈血酸素飽和度(SpO2)97%で,妊娠経過に特に異常はなかった。朝食は全量摂食済みである。既往歴もない。
朝のカンファレンスが終了し,各部屋で入室準備中に震度6強の地震が発生した。とりあえず揺れは収まり,スタッフへの被害はなさそうである。念のため,朝の入室時刻を遅らせ,手術室内のチェックを行った。手術室内の機器の損傷はなさそうだが,被災の全貌は確認できていない。この状況で重度の胎児徐脈のため,本症例へ超緊急(grade A)帝王切開術が申し込まれた。
さて,あなたならどうする?
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