連載 ウェルビーイングが導く患者中心の医療の未来・2
ウェルビーイングとは何か,概念を整理する—内面の充実および外界との調和を目指して
前野 マドカ
1
,
清水 幸裕
2,3
,
秋山 美紀
4
1EVOL株式会社
2特定医療法人財団五省会 西能病院 内科
3前南砺市民病院
4慶應義塾大学環境情報学部
pp.494-498
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550350060494
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はじめに
近年,医療現場において,患者中心の医療が求められています。すなわち,病気を治療するのみならず,患者が一生を通じ豊かに「よく在る」ための全人的ケアが重視されています。本連載の第1回「医療の目的をウェルビーイングから再考する」の中で清水幸裕先生が述べられたように,医療の根底には,健康や幸福のみならず,心身・社会・環境の調和が必要です。本稿では,ウェルビーイングの概念を,古代哲学から近代医療の健康観,そして現代の実証的な研究成果に至るまで,広範かつ体系的に振り返りたいと思います。

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