特集 看護師国家試験合格率100%の秘密
『100%合格への道』―日々の学びの積み重ねがその道を拓く
松下 裕子
1
,
玉川 緑
1
1独立行政法人国立病院機構愛媛病院附属看護学校
pp.160-165
発行日 2013年3月25日
Published Date 2013/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102330
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はじめに
本校は愛媛県東温市にある独立行政法人国立病院機構愛媛病院を母体とする,1学年定員40名(総定員120名)の看護学校である。本校の歴史は1939(昭和14)年にまで遡り,3度の課程変更を経て2002(平成14)年に3年課程に移行した。本校の教育理念は『生命の尊厳と個人の尊重,倫理観を基盤とし,看護の対象である人間に対する理解と共感ができる豊かな人間性をもった看護専門職業人を育成する。科学的根拠に基づいた知識,技術,思考力,判断力,創造力を用いて看護の対象に対して安全な看護が実践できる看護実践能力の育成を目指す。また専門職業人として自己啓発に努め,社会の変化に対応した看護が実践できるよう生涯をとおして学び続ける基礎的能力を育成する』である。特に,病気を診るのではなく,患者をそれぞれの名前と人生をもったひとりの人間として看ることの大切さを教えている。この教育理念に基づく教育課程での教育が,看護師国家試験の結果にも表われており,移行後の卒業生は8年連続で看護師国家試験に全員合格している(図1)。
「8年連続全員合格」ということで「何か秘策があるのではないか」と思われがちだが,毎年,講師の先生方や実習施設の皆様,そして学生たちと各学年の担任を中心とした教員全員が,試行錯誤しながらさまざまな取り組みを行ってきた結果であり,その試行錯誤はまだまだ続いている。本稿では,特に国家試験対策に焦点をあてて,日々の取り組みを振り返ってみたいと思う。
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