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Key Questions
Q1:生成AIをどのように臨床で活用したらよいか?
Q2:生成AIの教育での活用は学習者の能力向上につながるか?
Q3:生成AIの研究への活用はどこまで可能か?
はじめに
生成AIを活用しはじめて以来,まるで“もう一人の自分”が多くの作業を支援してくれているように感じている.そのため文書作成や情報整理,企画立案等,日常業務の効率が格段に向上したと実感している.私は毎日活用している一方で,日本における生成AIの活用は,諸外国と比較して明らかに遅れている(図 1)1,2).これはビジネスパーソン向けの報告1,2)に限ったことではなく,医療業界でも同様だと考えられる3,4).諸外国と比較し,日本ではAIを活用した研究や報告がないことも指摘されている5).特にリハビリテーション領域では,倫理規範の高さからAI活用に慎重な姿勢がみられ,臨床や教育現場で「AIを使ってよいのか」という相談を受けることも多い.使ってよいかの議論よりも,使用時に気をつけるべき点を議論していきたい.
筆者はこの問題意識から,2024年に三輪書店より生成AI活用に関する書籍『セラピストのためのChatGPT活用ガイド—業務効率を最大化する賢いAIの使い方』6)を出版した.背景には,新人職員がリハビリテーション業務において文書作成や情報収集をすべて手作業で行い,効率化できずに苦労している実態があった.場合によっては,その非効率さが業務負担の増大や離職につながるケースも聞いたことがある.
医療職が生成AIの使用をためらう理由として,個人情報の取り扱いや情報の正確性に対する懸念が大きいと考えられる.しかし,適切な情報リテラシー教育とガイドラインの整備を前提とすれば,生成AIの活用は単なる業務効率化にとどまらず,患者中心の新たな発想の創出,臨床以外の創造的活動への時間確保,さらには専門職としてのキャリア形成にも寄与する可能性がある.本稿では,作業療法研究を中心としつつ,臨床・教育と併せた三領域における生成AIの活用の現状と課題(最前線),そして今後の発展の方向性について考察する.

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