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Key Questions
Q1:県保健所に作業療法士が配置された背景は?
Q2:地域リハビリテーションの推進におけるリハビリテーション職の業務・役割の変遷は?
Q3:県庁に勤務する作業療法士の業務は?
はじめに
宮城県では,「地域保健法」による保健所機能強化策の一つとして,1997年度(平成9年度)から保健所〔宮城県では,2000年(平成12年)に保健所と福祉事務所を統合し,保健福祉事務所(以下,保福事務所)としている〕に作業療法士を1名配置し,「障害のある子供や成人・高齢者とその家族が,住み慣れたところで,一生安全に,その人らしくいきいきとした生活ができるよう,保健 ・医療・福祉・介護及び地域住民を含め生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行なう活動のすべて」1)である「地域リハビリテーション」の推進を目標とし活動を開始した.
また,同年に県の保健・医療・福祉の横断的・総合的な計画として策定された「みやぎの福祉・夢プラン」の重点施策の一つとして地域リハビリテーション推進を掲げたこともあり,2002年度(平成14年度)には,全国的にもめずらしい,すべての保福事務所でのリハビリテーション職の配置が実現した.2005年度(平成17年度)には,地域リハビリテーション事業の担当課であった県庁健康対策課に理学療法士を1名配置し,2006年度(平成18年度)には,リハビリテーション支援センターを開設したことにより,一次(市町村レベル),二次(高齢者保健福祉圏域レベル),三次(全県レベル)における地域リハビリテーションの三層体制が実現した(表 1).
リハビリテーション職の業務内容や役割は,県の保健福祉行政や社会情勢等に影響を受け,変遷している.地域リハビリテーション事業の開始当初は,地域リハビリテーション推進に向け,保福事務所およびリハビリテーション支援センターへのリハビリテーション職配置が進んだが,その後,県庁各課への配置も進み,近年では,地域包括ケアの深化・推進に向け,県庁長寿社会政策課(以下,長寿課)への配置も定着してきている(図 1).
なお,本稿は,保福事務所に初めて配置された筆者の経験を中心に,県庁および保福事務所におけるリハビリテーション職の業務内容や役割について記載するもので,組織の公式見解ではなく個人的な見解であることに留意いただきたい.

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