Close-up 切断断端の管理—下肢切断術後の断端管理〜慢性的な断端変化
切断術後の断端管理
加藤 弘明
1
Hiroaki KATO
1
1三重北医療センター菰野厚生病院整形外科
キーワード:
下肢切断
,
断端管理
,
断端皮膚トラブル
,
スキンケア
Keyword:
下肢切断
,
断端管理
,
断端皮膚トラブル
,
スキンケア
pp.830-834
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590070830
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早期断端管理の必要性
下肢切断者のリハビリテーションにおいて,断端管理は特有の管理項目であり,重要である.断端に傷ができると義足装着が困難になり,リハビリテーションが中断してしまう場合もある.しかし多くの場合,断端の傷は正常な皮膚から突発的に起こるわけではなく,断端のコンディションが徐々に悪化し,「傷ができる寸前の状態」(図1a)になってから発生することが多い.このような問題は,日頃から適切な断端ケアでよい断端皮膚の状態(図1b)を維持し,ソケットの再適合をまめに行うことで未然に防ぐことができる.そのため,下肢切断後の急性期〜回復期に長い時間かかわる理学療法士が,切断手術を受けた直後から断端ケアの指導をリハビリテーションの一環として行い,患者の新しい生活習慣のなかに組み込むことが,義肢のリハビリテーション成功に大きく寄与する.

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