臨床実習サブノート どうする? 情報収集・評価・プログラム立案—複雑な病態や社会的背景の症例・4
キーパーソンも高齢のパーキンソン病患者
垣内 優芳
1
Masayoshi Kakiuchi
1
1神戸市立西神戸医療センターリハビリテーション技術部
pp.673-678
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201257
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はじめに
パーキンソン病(Parkinson disease:PD)は,中脳黒質の変性で神経伝達物質であるドーパミンが不足する進行性疾患です.国内では10万人以上が罹患され,発症頻度は10万人に対して100〜150人であり,高齢者に多いことが知られています1).パーキンソン症候群を呈する疾患には変性疾患(PD,進行性核上性麻痺,多系統萎縮症,大脳皮質基底核変性症,レビー小体型認知症など),薬剤性パーキンソニズム,脳血管性パーキンソニズムの3つがあり,最も多いのが変性疾患であるPDです2).
PDの関連ガイドラインには日本神経学会3)のパーキンソン病治療ガイドライン2011,パーキンソン病診療ガイドライン2018,日本理学療法士協会4)の理学療法診療ガイドライン第1版(2011)が存在します.またPDは難病指定であるため難病情報センター1)によりさまざまな情報が一般公開されています.
本稿では,PD患者の1例を示したうえで,一般的に評価すべき内容や理学療法診療ガイドラインにより推奨度の高い評価項目を挙げながら情報収集・評価・プログラム立案のポイントを紹介します.
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