Japanese
English
研究
好酸球性胸水の臨床病理学的検討
Clinico-pathological Study Eosinophilic Pleural Effusion
畠 榮
1
,
横山 奈穂子
2
,
大倉 貢
3
,
広川 満良
4
Sakae HATA
1
,
Nahoko YOKOYAMA
2
,
Mitsugu OHKURA
3
,
Mitsuyoshi HIROKAWA
4
1川崎医科大学附属病院病院病理部
2せのお循環器科心臓血管外科
3川崎医科大学附属病院中央検査部
4川崎医科大学病理学教室
1Department of Pathology, Kawasaki Medical School Hospital
2Senoo Clinic for Cardiology and Cardiovascular Surgery
3Department of Clinical Laboratory, Kawasaki Medical School Hospital
4Department of Pathology, Kawasaki Medical School
キーワード:
好酸球性胸水
,
原因疾患
,
悪性腫瘍
,
癌性胸水
,
白血球分類
Keyword:
好酸球性胸水
,
原因疾患
,
悪性腫瘍
,
癌性胸水
,
白血球分類
pp.603-606
発行日 1996年5月15日
Published Date 1996/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902925
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好酸球性胸水の臨床病理学的特徴を検討した.胸水中に10%以上の好酸球増多を認めた110症例を対象とし,原因疾患と好酸球数との関係について比較検討した.好酸球性胸水症例の原因疾患は,悪性腫瘍は110例中51例(46.4%),感染症25例(22.7%),気胸11例(10.0%),肺梗塞4例(3.6%)であった.
胸水と末梢血の好酸球数の割合の関係は,Pearsonの相関関数でt=3.072(df=103),p=0.0027という相関を示し,悪性腫瘍51例中の7例(13.7%)に末梢血の好酸球増多を認めた.好酸球性胸水中の白血球分類について,リンパ球優位型は42例(38.2%),好酸球優位型は36例(32.7%)で,悪性腫瘍がともに首位を占めていた.
今回の検討で,好酸球性胸水の原因疾患でもっとも高頻度に認められたものは悪性腫瘍であった.リンパ球優位型の好酸球性胸水では悪性腫瘍を念頭におき検索する必要があると考えられた.しかし,好酸球数で好酸球性胸水を引き起こす疾患を断定することは困難であった.
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