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Ⅰ.研究の背景と意義
日本のがん罹患率は上昇の一途をたどっており,2人に1人ががんになる時代となった.本邦ではがん対策の充実を目指して2007年にがん対策基本法が施行され,それ以降「がんに関する研究の推進と研究成果の普及」「がん医療の均てん化の促進」「がん患者の意向の尊重」を基本理念としたがん対策が,総合的かつ計画的に推進されてきた.がんの早期発見のためのがん検診の勧奨,集学的治療,多種多様な臨床試験の実施,診断期からの緩和ケアの推奨,在宅緩和ケアの推進に加え,2016年にがん対策基本法の一部改正が行われ,稀少がんや難治性がんの研究促進,就労支援およびがん教育の推進について言及された.このような動向のもと,日本がん看護学会は,がん患者や家族を取り巻くがん医療の変化と,がん患者のQOL の向上を目指したより質の高いケアを提供するために,がん看護における教育・研究に取り組み,がん看護実践の向上に貢献してきた.その一環として本学会では,がん看護の専門性を高め研究の活性化をはかるために,日本におけるがん看護研究の優先性について1992年1)2)と2016年3)に調査を実施している.
諸外国でも自国のがん看護研究の優先性を明らかにする調査がなされている. 米国の Oncology Nursing Society(以下,ONS)では,がん患者や家族に対する臨床成果を改善するために,研究の優先性について調査を行い,その調査結果を研究課題の指針や研究の戦略的取り組みに用いてきた4)〜6).しかし,ONS 会員の回答率が11%と低く,調査結果から明確な研究優先順位が得られなかったことなどを理由に,2013年を最後に,会員を対象としたPriority 調査は中止されている7).2016年に本学会が行った調査3)の回答率は13.5%とやはり低値であったことから,今回行う調査の回答率ならびに回答者の属性から,母集団(全学会員)の意見を反映したものか否かの検討も必要と考える.そこで2016年に実施した調査結果と比較して,研究の動向を考察するとともに,がん看護研究の優先性調査のあり方について今後検討する際の基礎資とするべく,本調査を実施した.
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